平成化石3 昔のお母さん編

ぼくらの子供のころ友達の母親を呼ぶときは「おばさん」だった。いまは「◯◯ちゃんのママ」みたいに呼ぶのかな?よくわからないけど。


しかしいまのお母さん達はみんな綺麗でおばさんというやりお姉さんと呼ぶに相応しい。もちろんここでいう「おばさん」は「小母さん」であり子供からみて大人の女性一般を指す言葉であるから間違いではない。


しかしぼくらの子供のころにいた「友達のお母さん」は間違いなく「オバちゃん」だった。小太りで化粧もしないで頭は適当な髪型でろくに白髪も染めてなくて40くらいでも明らかにオバちゃんだった。


いまよりもずっと老けていたと思う。いまなら50過ぎでも綺麗なままの人もいるけど当時の50はもう老人だった。


そのなかで珍しくやたら若いお母さんも現れた。死語であるがヤンママってことばがあってヤンママのヤンはヤンキーなのかヤングなのかわからないが不良少女がやたら幼い年齢で子供産んでしまうケースだ。


ぼくの同級生でもそんな家が何軒かあって授業参観のときなんか茶髪で派手な化粧したヤンママのお母さんはわりと目立っていた。たぶん25もいってなかったと思う。


そんなお母さんでもやはりオバちゃんだった。肌は荒れてて化粧も雑だった。シングルマザーってわけではないのに何か苦労が感じられた。子供への対応も荒く言葉遣いも汚かった。


ある日ヤンママを持つ同級生の子がスト2で負けたキャラみたいに顔を腫らしてきたことがあった。心配して何があったか聴いても「転んだ」としか答えない。しかし転んだって言ってもそんな顔の腫らしかたはしないだろう。


いまなら学校が即、児童相談所に通報する案件だが当時は虐待なんて言葉すら一般的ではなく、学校も見て見ぬ振りをしていた。


いまのお母さんを見てると子供に対して本当に優しいと思う。昔は子供が泣いていると子供の泣き声を超える声で怒鳴りつけていた。デパートではよく子供の泣き声が響いた。体罰なんて当然で子供が泣いているのに叱らない親のほうがむしろ顰蹙を受けた。


いまと違って90%以上が結婚する世の中で精神的に未成熟な親が多かったと思う。昔の笑うセールスマンみても分かる通り昔の家庭は非常に仲が悪かった。


話を戻すとヤンママの子供たち、ヤンキーチルドレンたちの多くがその後ヤンキーになった。中学生の夏休みが明けるとヤンキー化するのがよくあるパターンだ。中学出た後は職人になった。処女、童貞の卒業も早かった。でも彼らはその後、新たなヤンキーチルドレンを産み出したのだろうか。


幼馴染をFacebookで検索したらまだ独身のままだった。予想だと10代で結婚もう高校生の子供3人くらいいてもおかしくないのに。職人の給料が下がってそれも出来なくなったのかもしれない。


若者の貧困化が質の悪いヤンママとヤンキーチルドレンという悲劇を防いでいるとしたら皮肉なことだ。





コメント

  1. 「スト2で負けたキャラみたいに顔を腫らしてきた」というところにグッときた。平成的修辞の極み。

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    1. そこは意識したよ。平成を懐古するシリーズだから比喩と平成でいかないと。

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