ゼロの確定申告
どうも、働かなくなってもうすぐ三周年の錆田です。
ここ数年所得ゼロだけど新宿までぷらぷら歩き確定申告会場に行ってきた。去年から会場がルミネゼロになって新宿駅前なものだから働いてる人には便利になったみたいだね。
で、会場に到着して入り口が分かれててAコースかBコースを選ぶのだけれど、毎日老人みたいな生活をしてて考える力を失った脳みそには良く分からないので、入り口にいたジレジョーヌみたいな蛍光ジャケットを着たお姉さんに
「昨年一年間所得のない人はどちらですかと」
と尋ねたら意外と難問だったみたいで
「いや、そういう方はちょっと(驚きつつ困った顔)」
と答え、階級の高そうな背広を着た正規兵のおじさんに引き継がれた。
「今日はどういった御用で(にこやか)」
「昨年一年間所得のないんですが確定申告しに来ました(えっへん)」
「所得のない人は申告しなくてもいいんですよ(プッ)」
と馬鹿にしたように言うので
「うるせえな、俺が何年無職やってると思ってるんだ! なめんな! ずっと公務員でがんばっていらっしゃるあなた様とは違うんだよ! この源泉徴収野郎が! 確定申告したことあんのか! それでも税務官吏か! 本当にご苦労様です。頭が下がります。私もあなたのようにまじめに働いて納税したかった」
と言う代わりに
「国民健康保険の支払額の算定に住民税のデータが必要みたいで、無申告のままだと10月くらいになると区役所から電話が来て書類が送られてきて確定申告するかあれこれ書類集めて提出するように言われて面倒なので、所得がなくても確定申告しなければならないのです」
と、しどろもどろになりながら伝えた。
すると正規兵のおじさんはずっと源泉徴収されてきたせいで私が何を言っているのかよく分からなかったようで、マニュアルどおりの接客モードになり
「ほうほうそれでは今日は社会保険などの控除のための書類などお持ちですか」
と言う。私は呆れつつ
「まったく、これだから無職になったことのない奴は嫌になる。万年給与所得者め。
所得のない人間というのは課税すべき金額がゼロなのだから、控除のしようががないだろうが。つまり保険料控除その他の証明書を添付しても無駄。意味がない。控除額がマイナスになったら逆に金くれるっていうんなら喜んで用意してやるがな」
と言う代わりに
「あ、いえ、そういうものは持ってきてません(不機嫌)」
と、しどろもどろになりながら伝えた。
「え、じゃあ申告しても意味ありませんよ?」
「いやっ、だから…(馬鹿かこいつ)」
「じゃああとはこの先の係員に聞いてください(何しに来たんだこいつ)」
おじさんにたらい回しにされた後、今年から確定申告会場はすべて電子申告になることを知らされ、マイナンバー通知カードを持ってきてないことに気が付き、本日中に確定申告ができないことが決定し、全てが面倒になった。私の人生は一事が万事こんな感じだ。
「紙、紙の申告書ください、いつもの奴」
とそばにいた電子係ジレジョーヌに用紙の場所を聞き、倉庫みたいなところから必要最低限の書類だけもらって出口に向かった。電子化についていけないだめおじさんになった。敗北者の気分だ。紙だけもらってまた後日だ。
そういえば、去年も確定申告の会場に来たけれどその日は最終日でしかも営業時間終了してて、申告用紙だけもらって帰ったことを思い出した。結局提出したのは9ヵ月後の11月末だった。納める税がない場合(還付の場合も)は延滞税がかからないから別に申告は年内ならいつでもいいのだ。
会場出口付近ではいろいろたらい回しにされた挙句放置された怒り心頭のご婦人が職員に詰め寄って不満をぶつけていた。ただでさえ払いたくない税金を払いに来てやってるのにそんな目にあわされれば怒るのも仕方がない。気持ち分かるぜ。まあ、自分は税金払ってないけど。
巷ではインフルエンザに麻疹が流行中であるゆえ、こんな人ごみに再び来たくないと思い、黄色ジャケットのお姉さんに、いつもの郵送提出用の封筒を下さいと頼んだところ「郵送用の封筒は廃止です。各自で用意してね」とのことだった。
以前は頼んでなくても申告用紙を返信用封筒と一緒に家に送りつけてくれたのに最近は送ってくれなくなった。遅々とではあるけれどペーパーレス化が進行していることが感じられて好印象ですよ。
それにしても、なんなのあいつ、マイナンバーとかいうやつ。全然役に立たないくせにいざという時は足を引っ張りやがって。そうそう住民基本台帳カードとかいう無能もいたな。ほんとなんなのこいつら。穀つぶしどもが。すごく親近感が湧いてくるよ。僕みたい。
ともかくマイナンバーとやらを有効活用してクソ面倒な納税事務を廃止しろ。エストニアみたいに電子政府になれ。税理士も会計士も失業させろ。SF小説のディストピア政府みたいに国民の所得を全て把握しろ。把握されてまずい奴はどうせ脱税してる奴とかやくざとか公安にマークされてるような連中とかだ。
確定申告用紙に住所とお名前電話番号、それとゼロを何個か書いて判子をポンと押して簡単に終わる作業のはずが、目的を果たせないどころか無駄に疲れて働いてもいないのに、まだ東京で消耗してる有様だ。
ということで私の確定申告は終わっていない。始まったばかりだ。
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