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10月, 2019の投稿を表示しています

小学生のころによく遊んだ友人がいた。毎日とは言わないが週4くらいでは遊んでいたと思う。何がきっかけで仲良くなったかよく覚えていないが気がつくと放課後には彼の家に入り浸っていた。 古い団地にあるカビ臭くて狭い家ではあったが親が甘い家庭でゲームも漫画も豊富にあった。それ目当てで常に誰かしら他の友人も来ていて4〜5人でだらだらゲームしたり漫画を読んだりしていて、夕方になると「夕焼け小焼け」のチャイムがなり薄暗い団地の階段を降りて家路についた。 秋になって夕方が暗くなるとよくそのことを思い出す。そのころは何故かこの階段をあと10年後も降り続けるだろうと根拠のない確信をしていた。でも彼とは中学進学後に気がつくと疎遠になった。あの階段はまだあるだろうからまた薄暗い夕暮れに降りてみたい。 未来とは予測不可能なもので小学生のころに描いた大人になった自分とはかけ離れた大人になった。大人になると誰かの車でドライブしたり旅行したりしながらもその団地の階段を登り、酒でも飲みながらだらだらゲームをするのかとか思っていた。 だけど現在そのころにその友人の家で一緒にたむろしてた人たちとは誰ひとり連絡を取っていない。おそらく二度と会うことはないだろう。たぶんあのころはマイルドヤンキーみたいなものが理想の大人で幼なじみと地元サイコー!ダチサイコー!の大人になりたかった。夏はBBQして冬は鍋パーティーをしたかった。 あのころの理想とは逆の人生を送っている。地元から離れて東京に住み新宿-池袋間を行ったり来たりしながら周りにいるのはバラバラな故郷を持つひとたちだ。 前置きが長くなったけど最近老人になったあとのことをいろいろ考えている。そしてやはり未来は予測不可能なものであることが分かっている。今日散歩した近所の道を40年後(生きていたら)にも歩く可能性は低いだろう。 おそらくぼくらには"老後"は存在しない。"老"はあっても"後"になることはなく働かされ続けることだろう。動きが鈍くなった老体に鞭を打って清掃か警備をやってるのかもしれない。回転の悪くなった脳で思考しても非合理的でミスが多く完成度も低い。若い上司から蔑まれながら職場のタイムカードを押しているのだろう。 いまの自分の姿を小学生の自分が見たら絶望するだろうが...

繁華街の闇

ぼくが普段過ごしている街には怖いものがたくさんある。別に幽霊の話じゃなくて怖い人の話だ。有名な繁華街で外国人も多くDQNも多く怪しげな店もかなり多い。でも普段は極めて平穏な街であって夜中まで飲み歩いても怖い思いをすることはない。 日本には治安の悪い街など存在しない。なぜならそれは警察が強いからであって外国みたいに殺人事件があっても解決出来ない拙い操作能力とか警察すらギャングにビビって犯罪を見て見ぬ振りするどころか袖の下すら渡っていたりするような国とは違う。 それらの国のギャングが手当たり次第動いているものを捕食しようとする獰猛な肉食獣だとしたら日本の裏社会は食虫植物のように不運にも闇に吸い込まれていった人間を捕食するような存在だから運が悪くない一般人が被害に遭うことはめったにない。 でもこんな街を散歩してるとたまに深い闇に遭遇することがある。今日はそんなお話。 ある日のこと。人通り少ない細い路地に止まったワンボックスのドアが開くとなかに目つきの悪い若い男が4、5人。奥から若いギャル風の女の子が降りてきた。彼女はここから一本道を隔てた繁華街の大きな通りにあるオシャレなカフェの前に立って誰かを待ってるようだ。 ワンボックスはドアを閉め徐行しながら少し位置をずらした。女の子が立つカフェの場所が見やすい場所で停車した。どうやらスモークがかかった窓から女の子を監視しているようだ。 あれはなんなのか。ツレは売春の監視だという。でもぼくはそうではないと思う。 おそらくあれは美人局だったのではないだろうか。出合い系サイトでひっかけた憐れな被害者といかにも女子が喜びそうなカフェの前で待ち合わせして落ち合い、そのままホテルへと向かう。ホテルでとりあえず楽しんだあと行為の余韻に浸りながらお互いの指を絡ませホテルを出るとそこにはガラの悪い男たちが4、5人。そのなかで一番悪そうなやつが一言 「お前、俺の女になにしてんだ?」 これで憐れな被捕食者の人生は終わりだ。このままワンボックスに乗せられ身分証のコピーを取られたあと高い示談金を支払う書類にサインさせられることになる。 まあこれは推測の域を超えない話だがその一件を目撃したあとググったらやはり似たような美人局事件がその繁華街に頻繁しているらしかった。 また別の話。 その街は東京でも有数の規模がある...